
マイケルの元妻、そしてエルヴィスプレスリーの一人娘であるリサマリーが突然亡くなってしまった。
彼女について詳しいわけでもなく、最近の様子なども知らなかったが、
想定以上にショックだった。
リサの最期が父のエルヴィスやマイケルにとても似ているので、どうしてもあの日のことを思い出してしまう。
マイケルはリサを本当に愛していて、リサもマイケルの理解者だった。
マイケルにとって大切な人が居なくなるのは寂しい。
亡くなったあと、リサは私が思っていた以上に壮絶な人生を送っていたと知った。
一番辛いのは息子さんが若くて自殺したことだろう。
他にもドラッグやアルコール、カルト宗教との関係もあった。
生まれながらにして周りに翻弄される運命だったけど、とても主体的に幸せを追求した方なのでは、と考える。
もともとリサに対してあまり良い印象がなかった。その理由は以下の通り。
・ 本人に実績があるわけではなく、父が有名人で、しかも美人だからマイケルに会えたんでしょ。と思っていた。
・ MTV95でマイケルが神がかりなパフォーマンスをしたあとの仏頂面が印象に残っていた。
あのパフォーマンスを見て、なぜその表情?
「もう感無量!」って感じのジャネットのは対象的で、余計に目立った。
・ 離婚理由が「マイケルは子供を欲しがったのに、リサが子供をもうけることを拒んだ」 だと思っていた。
「結婚する前からマイケル子供欲しいって言ってただろうに、拒否するってどういうこと?」 と理解できなかった。
(本当は、絶対離婚しないと確信できるまで子供を作らないという意味だったが、そこまで知らなかった)
・ マイケルが2003年にLWMJやら裁判やらで苦しい時期、全く助けなかった。
そのときリサはデビューアルバムをリリースして、少しマイケルをディスっていた記憶がある。
苦境に立たされたマイケルに追い討ちをかけ、話題性を得るためにマイケルを利用しているように見えた。
LWMJの反論番組で率直にマイケルとの関係について話し、擁護したデビーロウとの違いが目立った。
そのイメージが変わったのは、マイケルが亡くなったあと。
リサがMySpaceにアップしたコメントに、感動した。
https://www.oprah.com/oprahshow/lisa-marie-presleys-blog-post-about-michael-jackson
(日本語訳は「マイケルジャクソン全記録」という本の最後あたりに書かれてます)
ほとんどの関係者や著名人が「マイケルは本当に素晴らしい人だった。今は悲しみに暮れている。」という言葉を寄せるなか、
彼女のコメントはもっと深く、冷静だった。
・ マイケルは「自分はきっとエルヴィスみたいに死ぬ」と言っていた
・ 私はマイケルの自己破壊的な行動と、周りにいる吸血鬼やヒル(マイケルからお金を吸い取ろうとしている人)から彼を守りたかった。
・ 気づいたら限界を超えて消耗しきっており、「彼の元を離れる」という辛い決断をした。
数えきれない追悼コメントのなかで、パリスちゃんのスピーチとリサの文章は特別だった。
これを読んで初めて、マイケルとリサは本当に愛し合っていたこと、リサはマイケルを理解していたことを知った。
(ちなみにオバマ元大統領は
「マイケルの曲は全て私のiPodに入っている。彼の生涯は悲劇的だった」とコメント。
「まとめすぎだろ!」とツッコミをいれたくなった。)
マイケルとリサが愛を育んだのは、1993年の児童虐待疑惑の前後。
これまでになく打ちのめされて、怒りと抑うつに苦しんでいたマイケルを、リサは癒し、サポートしていた。
リサの言葉から推察するに、彼女はとても気高く気の強い女性だと思われる。
マイケルとの関係を、他の女性 – デビーロウとカレンフェイと比較するとよく分かる。
・ 子供について
リサはマイケルと親権について「もめたくないから」、絶対離婚しないと確信できるまで子供を作りたくないと言った。
つまり、マイケルとの子供ができて、もしそのあと離婚することになったら、「自分が親権を取りたい」ということだ。
一方、マイケルの2番目の妻、デビーロウは「あなたは父親になるべき。子供をプレゼントしてあげる。」と言って結婚。
離婚後は、プリンスパリスをあっさりマイケルに引き渡した。
とにかく両極端の2人。
このあとマイケルは「自分は結婚に向いてないな」と悟ったけど、もう1人欲しくて代理母出産という選択をする。
子供欲しいけど結婚はうまくいかないから代理母出産でいいやん!
これはとてもアメリカンな考えですね…
・ マイケルの危うい様子に直面した後の行動について
リサはマイケルの危うさに気づいた。
薬物を使っている現場を見たことはないとインタビューで言っていたが、女の勘は鋭い。
「このままでは彼は壊れてしまう」と分かったのだろう。
そして、なんとか彼を現実世界に引き戻そうとしたが、できない。
そう、できないのだ。どれだけがんばっても。
現実に打ちのめされたリサは「マイケルと離れる」 選択をする。
一方、同じ場面に直面しても、マイケルに寄り添い続けた女性がいる。
ファンの間では有名なメイクさん、カレンフェイだ。
彼女はマイケルが亡くなったあと、裁判でワールドツアー中の辛い経験を明かした。
https://edition.cnn.com/2013/05/09/showbiz/jackson-death-trial/index.html
シンガポール公演の前、マイケルはふらふらで、歩くのもやっとだった。
カレンは「こんな状態でライブなんて無理。マイケルの命が危ない!」と医師に告げたら
「お前は自分の立場が分かってるのか!(お前には何の権限もないという意味)」と怒鳴られた。
(その公演は結局中止になった)
このとき、カレンはとてつもなく絶望しただろう。
カレンはマイケルと兄弟のように打ち解けた仲だったのに、マイケルの行動に関しては全く権限がなかった。
それでもカレンはずっとマイケルの元を離れなかった。
「できる範囲でマイケルを支える」という選択をした。これはリサと対象的。
どちらが正しいというわけでなく、生き様の違い。
カレンはリサとマイケルが離婚したときのことも証言した。
リサがマイケルに「離婚しないで」と懇願したのでマイケルは止めたのに、
翌日リサの方から離婚手続きをしていたことが分かったという。
リサ…ひどい!と思ったが、「自分から」振りたいという女のプライドだったのかな…とも思う。
マイケルが亡くなったあと、彼を愛していた人々はこぞって「マイケルは素晴らしい人だった。驚くべき才能だった。」とたたえた。
リサも同じようにマイケルの素晴らしさを讃えたが、それだけではない部分をしっかり表現した。
あの状況で、とても勇敢だと感じる。
マイケルのことをよく知る人、そして忖度なく表現できる人。
そんな貴重な人が、突然去ってしまった…
私はこの事実に、すこし危機感を感じる。
リサ、真っ先に会いたいのは息子さんとお父さんだろうけど、
マイケルのところにも行ってあげてね。
どうぞ安らかに。
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